賛同者からのメッセージ

2021年1月22日金曜日

日本学術会議会員の任命拒否問題と「学問の自由」についての声明

日本学術会議会員の任命拒否問題と「学問の自由」についての声明

  日本国憲法第23条で保障された「学問の自由」は、学術・研究機関の自治とそれによる自律的な活動を制度として保障するものです。「学問の自由」の否定が国民の諸権利剥奪の第一歩であった戦前日本の苦い経験が示すように、「学問の自由」が失われることは、研究者だけでなく社会全体にとっての重大な問題です。

  このように「学問の自由」は、単に個々の研究者が自己の関心に基づいて研究できる自由のみを指すものではありません。学問の世界は、真理の探究を目指す立場から社会に向けた提言を行う役割も担っており、こうした役割を果たす上では、政治的権威からの干渉を排するという意味での「学問の自由」が不可欠です。

 日本学術会議は、学術・研究機関が戦争の一翼を担った過去の反省に基づいて設立され、学問的な立場から社会に向けた提言を行うことを負託された機関です。その会員選定に対する政府による干渉は、上記の意味での「学問の自由」に対する侵害に当たります。したがって政府には、任命拒否の理由を説明し、正当な理由がない場合は拒否された6名を直ちに任命することを求めます。

 「学問の自由」が危機に直面している今、私たち山陰地域の研究者は「学問の自由」を守るため、ともに声をあげます。

       2020年12月 「学問の自由」を求める山陰地域の研究者ネットワーク 

 

*賛同してくださる山陰地域の研究者の方は、島根大学法文学部・関耕平あてに、メールをいただければ幸いです。(メールアドレス:sekik(at)soc.shimane-u.ac.jp)*(at)は@に直してください。

2 件のコメント:

  1. 菅義偉内閣総理大臣が2020年10月1日から任期が開始される日本学術会議の会員について、同会議が推薦した候補のうち6名を任命しなかった行為およびその理由について「総合的、俯瞰的観点」、「多様性」など抽象的な説明をただ繰り返すのみで何ら具体的な理由を挙げなかった態度は、学問研究に従事するすべての者の「学問の自由」を侵すと共に、研究者集団の自治を否定する背徳的な行為である。更に、政府・自民党はこうした批判を契機に日本学術会議のあり方に矛先を向け、人事介入への議論を封印させていることはわが国の民主主義を後退させていると言わざるを得ない。学問的良心に従って言えば、学問研究によって得られた真理・真実が民主主義を発展させていることは紛れもない事実であり、コロナ禍にある現在、政治家に最も求められている態度であろう。

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    1. 小林先生 コメントありがとうございます、改めてHPにも掲載させていただきます(島根大学・関)

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日本学術会議会員の任命拒否問題と「学問の自由」についての声明

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